【文化庁メディア芸術祭】日本のメディア芸術を、世界へ

第23回文化庁メディア芸術祭はアニメーションの特設サイトが設けられ、 オンライン上でアニメーションを見ることができるようになりました。

芸術作品の「ANIMATIONISM -All Creativity Welcomed-」と、アニメのOJTを目的とした「あにめたまご」の2プログラムあり、それぞれ公開日時が違うのでお間違いないように。

文化庁メディア芸術祭とは?

文化庁メディア芸術祭(ぶんかちょうメディアげいじゅつさい、英語: Japan Media Arts Festival)は、文化庁メディア芸術祭実行委員会(文化庁、国立新美術館)が主催しているアートとエンターテインメントの祭典のこと。

2003年度(第7回)から、アート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門 の4部門について、大賞・優秀賞・新人賞を選定。また、第5回(2001年)と第6回(2002年)には特別賞、第7回(2003年)以降は功労賞が授与されている。受賞者にはそれぞれトロフィー、賞金、そして文部科学大臣賞が贈呈される。

ANIMATIONISM -All Creativity Welcomed-

第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で受賞したアニメーションやその作者の作品の中から、生命の誕生と喜び、人類の歴史をわずか3分43秒に凝縮した「サイシュ~ワ」、マンガ、アニメ文化とpersonal historyをコミカルに表現した「ある日本の絵描き少年」、意識と無意識の関係を軽妙に描く「ゆめみのえ」、ダイナミックかつスケール感溢れるドローイングアニメーション「CASTLE」、細部まで意識の行き届いたクラフトワークが光る「ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~」の5本が、6月20日、21日にライブ配信されます(計3回)。

上映日時(日本時間)

  • 第1回 6月20日(土)9:00 PM
  • 第2回 6月21日(日)7:00 AM
  • 第3回 6月21日(日)4:00 PM

作品

『サイシュ~ワ』(2019)

ぬQ
短編アニメーション[3分43秒]

一郎とふたこの物語の最終話。花火の破片を集めて作られた女「ふたこ」は、今夏の花火大会で体が弾ける運命を持つ。一郎と過ごして花火 としての役割を忘れたふたこは、特別な儀式で強制転生する。この世でもっとも短い生命の輝きをクローズアップした作品。

『ある日本の絵描き少年』(2018)

川尻 将由
短編アニメーション[20分]

子供が描く絵から大人が描く絵へ、絵の成長に合わせヴィジュアルを変化させながら、漫画家を目指す男の半生を語る。実験的アニメーション&モキュメンタリー作品。

『ゆめみのえ』(2019)

山村浩二
短編アニメーション[10分10秒]

ケイサイは、人や動物を生き生きと、とても見事に描く絵師だった。ある日鯉の絵を描いていると眠ってしまい、鯉になった夢を見る。楽しく泳いでいた鯉は、釣り人に釣られて城に運ばれていく…
鍬形蕙斎の絵手本「略画式」と上田秋成「雨月物語・夢応の鯉魚」に想を得て、 蕙斎を主人公にアニメーション化した。

『CASTLE』(2019)

宮嶋 龍太郎
短編アニメーション[5分]

戦国時代、多くの命が失われた。城の設計者は、武士が人間性を取り戻す場所として茶室の可能性を見出す。

『ノーマン・ザ・スノーマン~北の国のオーロラ~』(2013)

八代健志
短編アニメーション[25分]

ある冬の夜、「少年」は雪ダルマの「ノーマン」と旅に出た。ノーマンが少年に教えてくれたことを確かめるために。
―フクロウは雪明りの中、音もなく羽ばたくっていうこと―
―オーロラは空一杯にゆらめく、空のカーテンだっていうこと―
さまざまな出会いや発見を通じて、自分を見つめ直しながら成長していく少年の冒険物語。

あにめたまご

日本のアニメーションの振興と向上を目的に、OJTを通して、業界の将来を担う優れたアニメーター等を育成するため、2010年より開始した文化庁委託事業「若手アニメーター等人材育成事業」です。日本国内よりオリジナル短編アニメーションの企画を募集し、選出された企画の作品を実際の現場で制作しながら若手アニメーターの育成を行うことが目的とされています。

上映日時(日本時間)

  • 第1回 6月27日(土)9:00 PM
  • 第2回 6月28日(日)7:00 AM
  • 第3回 6月28日(日)4:00 PM

作品

カラフル忍者いろまき(2016年)

株式会社シグナル・エムディ
[24分]

文化庁の若手アニメーター人材育成事業“あにめたまご2016”で制作されたアニメーション。『ひるね姫』などに参加してきたシグナル・エムディが制作を担当した。
小学3年生の姫乃(声:清水葉月)は、田舎の大きな屋敷に引っ越したが、そこはなんと忍者屋敷だった。姫乃を姫と勘違いした赤巻(声:犬山イヌコ)、青巻(声:山崎バニラ)、黄色巻(声:一龍斎貞友)たち忍者との不思議な生活が始まる一方で、屋敷には巨大な竜巻が近づいていた…。

風の又三郎(2016年)

株式会社 武右ェ門
[22分]

文化庁の若手アニメーター人材育成事業“あにめたまご2016”で制作されたアニメーション。制作は、現在YouTube Originalsにて配信中の「OBSOLETE(オブソリート)」を制作している武右ェ門が担当した。
父の仕事の都合で一時的に都会から山の学校に転校してきた女の子(声:稲葉菜月)は、クラスメイトから遠巻きな扱いを受ける。孝一(声:山崎智史)は女の子に興味を抱くが、仲良くても近づけない。女の子は早く都会の生活に戻りたいと思っていたが、偶然、本物の風神様に出会い…。

レベッカ(2020年)

株式会社ベガエンタテイメント
[24分]
文化庁の若手アニメーター人材育成事業“あにめたまご2020”で制作されたアニメーション。
19世紀末のアメリカ、メイン州の田舎町。7人兄弟の2番目の子、レベッカは明るく元気な10才の女の子。父親が亡くなり次第に生活は困窮し、やむなくレベッカは2人の伯母であるミランダとジェーンの元に預けられる事になった。優しいジェーンを慕いつつも、厳格で口やかましいミランダの前ではどうしても萎縮してしまうレベッカ。そしてある日、レベッカはジェーンが作ってくれたピンクのドレスを勝手に着て外へ出たことをミランダに咎められ、そのとき亡き父のことを侮辱されたことに怒りを爆発させ、勢いあまって家を飛び出してしまう……。