この記事は、ArnoldレンダラーがサポートしているMaterialXについての内容になります。
MaterialX とは?
MaterialXは、2012年にルーカスフィルムで創設され、 『スターウォーズ:フォースの覚醒』や 『ローグワン:スターウォーズストーリー』などの長編映画で実際に使用されている、アプリケーションとレンダラの間ルック開発コンテンツの転送を容易にするために開発された技術です。
MaterialXはArnoldがサポートしています。
これにより、3dsMaxでルックの開発を行い、Mayaでアニメーション、Houdiniでレンダリング。
といったパイプラインが可能です。
やっぱりアニメーションはMayaが早いし、
HoudiniのSolarisでUSDをプロシージャルにコントロールできることは魅力だよね。
MaterialX:materialx.org
Arnold:https://docs.arnoldrenderer.com/display/A5AF3DSUGJPN/MaterialX
MaterialXでできること
マテリアルの参照
マテリアルを参照することでレンダリング時に差し替えが可能になり、
アニメーションと並行作業でルックの開発/更新が行えます。
キャラクターのバリエーション違いの中でも、
共通するマテリアルを共有することができる。
プロパティのオーバーライド(上書き)
元データを壊すことなくプロパティをオーバーライドすることができるので、
カット毎に色を調整したり、テクスチャの差し替えができます。
ルックファイル
MaterialXには”ルック”と呼ばれるバリエーション違いを保存する機能があります。
これにより群衆の色違いをランダムに表現したり、汚しのありなしなどの変更が容易にできます。
3dsMax編
書き出し方法その1
Arnold>Import/Export>Export Materialsから、
MaterialXファイルを書き出すことができます。
このようにマテリアルの情報がすべてテキストで保存されます。
書き出し方法その2
ルックファイル込みの場合は、レンダリング設定のArchiveから書き出せます。
運用方法
Arnoldのオペレーターを使用するか、assファイルとして参照して管理することが望ましい。詳しくは参考記事のオペレーターをご覧ください。
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SDK セットアップ
3dsMax2021のArnoldにはMaterialXが実装されているので、セットアップを飛ばして運用することが可能ですが、Lookの制御などで独自のカスタマイズを行う場合に必要になります。
ダウンロード
- githubにて ソースコード をダウンロードします。:https://github.com/materialx/MaterialX/releases
- CMake ダウンロード:https://cmake.org/
ビルド
CMakeを実行
- “Where is the source code”にダウンロードしたソースコードのパスを指定します。
- here to build the binaries”に生成されるプロジェクトファイルの場所を指定します。
- Configureボタンをクリックして、生成したいプロジェクトのタイプを選択。
- MATERIAX_BUILD_PYTHONにチェック。
- Generateボタンをクリック。
- 生成されたプロジェクトファイルを開いてビルド。