海外のCGスタジオだと「まばたきが自然かどうか?」で採用の合否が決まってしまうほど大事なアニメーション。
この記事では、目のフェイシャルアニメーションで注意していることをまとめました。
”目は口程に物を言う”というほど表現力豊かな目のアニメーションにおいて、心理的に向いてしまう方向があるってご存じですか? この心理的な事象を利用して、アニメーション表現にリアリティをプラスすることができます。 [sitecard[…]
まばたきで意識すること
- タイミング
- 重さ
- 筋肉
- 瞳孔
タイミング
まぶたの重さを表現するために、イーズインイーズアウトさせます。
中途半端な開き目をつくらないように注意してください。
開き目と閉じ目の間のコマで、白目が見えないように瞳にもアニメーションさせましょう。
重さ
閉じた後に1フレームほどさらに重さのエネルギーを受けたコマを足しています。
必ず必要なものではなく、まぶたの閉じた絵1枚で表現することもあります。
筋肉
目の周りの筋肉は中心に向かっているので、中心に向かって閉じるようにしています。
眉やほほの筋肉も影響を受けて動きます。
瞳孔
目を閉じる際は、外からの光がまぶたで遮られるので、光を取り込むために瞳孔のスケールにアニメーションさせています。
まばたきのタイミング
振り向く場合や、大きな表情変化の前にまばたきをいれると自然になります。
それでも回数が多くなってしまい、観客に「なぜこんなにまばたきしてるんだ?」と思われないためにも、シーケンス(カットの連続)でチェックして、多いときは減らしましょう。
まばたきが多いときの心理
緊張、動揺、ウソをつくときなどは、まばたきが多くなると言われています。
観客に演出が伝わりやすくなるように、取り入れてみましょう。
アイダート
アイダートとは、瞳が細かく動いている様子のことを言います。
会話している場合など、相手の表情を読み取るために目はアイダートしていることが自然です。
アイダートは左右や三角形の動きをさせることが多いと思いますが、左右では動揺しているニュアンスで観客に誤って伝わる可能性があるのでおススメしません。
あまり日本のアニメ表現では見ないアイダートですが、リアルなキャラクターなどは取り入れてみてはいかがでしょうか。
上を見るときに気をつけるポイント
目のシルエットに注目していただきたいのですが、弧を意識すると自然になり、観客に見てほしい方向に視線を誘導することができます。
下を見るときに気を付けるポイント
見開いたまま下を見ることは何か特別な場合です。無意識に下を見るときはまぶたが下におりるほうが自然です。
最後に
今回はリアル寄りを意識してアニメーションさせましたが、アニメーションに正解はないと思います。
プロジェクトやキャラクターに応じて、目の表情アニメーションを工夫すると良いですね。